早く止めるインバータ
本編は、下記URL「モーター省エネインバータ父さん」の子供版となります
1 まえがき 誘導電動機を用い、負荷を回転させるなどの時に、直入れ制御の、タクタの ON-OFFのみで、誘導電動機を起動、停止させると、起動時には、突入電流で 大きな電流が流れるために、電源装置に余裕が必要だったり、ノイズと なったり、急激な機械の動きとなってしまいます。(下記、図1参照)
それ以上に問題なのが、停止時です。 タクターOFF後も負荷慣性で、ダラダラ回って停止するのを待っているのは 大きな損失です。 タクタをOFFすると、商用電源の場合は、誘導電動機は負荷トルクだけが ブレーキ力となって、フリーラン停止しますが、インバータ運転の場合は 運転指令がOFFになったら、設定された減速時間で停止します。 よって、インバータを使用することにより、早く、任意の時間で止めることが できて、下記メリットを生み出すことが可能になります。 Ⅰ 生産サイクルを短くする Ⅱ 操作員の安全 Ⅲ 省エネ、省電力 減速時間短縮の手順 Ⅰ フリーラン停止(下記、図2参照)
Ⅱ インバータによる減速停止(下記、図3参照)
周波数を連続して、滑らかに低下させると、電動機が負荷により、 同期速度以上の速さで回されている領域で、電動機にブレーキが かかり、機械的ブレーキ無しで停止させることが出来ます。 制動力はインバータ単体で,定格トルクの約20%です。 Ⅲ インバータ+回生制動(下記、図4参照)
負荷の回転エネルギーを電動機の発電作用を通じて、 電気エネルギーに変えて、これを抵抗器熱エネルギーとして、 消費させる方法です。 Ⅳ 電源回生制動(下記、図5参照)
省エネの観点から、負荷のエネルギーを電動機の発電作用を 通じて、電気エネルギーに変えて、これを電源側に返す 方法です。 電源回生ユニットあるいはマトリックスコンバータの形態と なります。